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Toshikatsu Hanada, M.D., Ph.D.

大分大学医学部 生化学・分子遺伝学講座


Our Techniques
 

私たちの研究室では、希少遺伝性疾患の病態解明を目的とした疾患生物学(Disease Biology)の研究を行っています。ゲノム編集技術(ノックアウト/ノックイン)を駆使して、ゼブラフィッシュを用いたin vivo疾患モデルの作製を行い、疾患関連遺伝子の生体内における機能と、変異が引き起こす分子病態を解析しています。
ゼブラフィッシュは、ヒトと高い遺伝的相同性と透明な胚発生過程を持ち、疾患の早期病態の可視化や機能解析に優れたモデル動物です。これにより、生体内での疾患発症メカニズムを多角的に捉えるとともに、ヒト疾患との関連を深く理解することを目指しています。透明な胚発生過程を活かしたリアルタイムな生体内観察が可能で、様々な疾患の初期変化を可視化することができます(図)。
私たちの目標は、これらのin vivo疾患モデルを通じて得られた知見を、創薬・治療法の開発に結びつけることです。モデルの「正確さ」と「応用性」の両立を追求し、研究成果が臨床現場に橋渡しされる未来を夢見て、日々研究に取り組んでいます。
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GTP Project
 

ゼブラフィッシュの特性を活かした生きた状態におけるGTP代謝イメージング
【目標】
ゼブラフィッシュの特性を活かした生きた状態におけるGTP代謝イメージングにより、GTPアクターネットワークの進化と機能分化、特に脊椎動物におけるPI5P4KβのGTPセンサーとしての役割を明らかにする。ゼブラフィッシュには、PI5P4Kβに対応する2つのパラログ、pip4k2aaおよびpip4k2abが存在する。それらの機能的差異を解析することで、PI5P4KβのGTP感知機能の進化的起源を解明する。
【実施内容】
1.  GTPアクターネットワーク分子の遺伝子改変ゼブラフィッシュを作製し、in vivo蛍光イメージングにより表現型を解析し、GTP感知機能の生理的意義を明らかにする。
2.  蛍光寿命イメージングFLIMにより、細胞内GTP/GDP比率を時空間的に測定し、各フィッシュモデルでのGTP代謝恒常性の解析を行う。
3.  各フィッシュモデルにおいて、GTP合成阻害剤等の薬剤を用いた代謝ストレス環境下での発生異常やGTP代謝恒常性の解析を行う。
 
以上の解析を通じて、脊椎動物におけるGTP感知機構の進化的獲得を明らかにし、メタボリックネットワークの進化的意義を探る。
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For young researchers

私はこれまで長年にわたり、マウスを用いた疾患研究に取り組んできました。かつては遺伝子改変モデルといえばマウスが中心でしたが、ゲノム編集技術の進展により、現在ではさまざまな生物種での遺伝子改変が可能となり、モデル選択の幅は飛躍的に広がっています。
その中で、私たちはゼブラフィッシュの有用性に注目しています。ゼブラフィッシュは、発生過程が受精卵の段階から可視化される透明な胚を持ち、リアルタイムでの生体イメージングが可能です。さらに、遺伝子改変によるモデル作製から機能解析までを自分の手で一貫して行える自由度の高さは、研究者にとって大きな魅力です。
加えて、ゼブラフィッシュは疾患モデル動物としての科学的信頼性も非常に高く、ヒト遺伝子の約70%に明確なオーソログが存在し、疾患関連遺伝子に至っては約82%の保存率が報告されています。この高い相同性は、ゼブラフィッシュがヒト疾患を理解する上で極めて有用なモデルであることを強く裏付けています。
私たちの“サカナで病の本質に迫る”研究に少しでも興味を持っていただけたら、ぜひお気軽にご連絡ください。


進行中のグラント
 

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終了したグラント
 

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GTP GEEKSでは生化学的、構造的な手法など様々なアプローチでGTP代謝研究に取り組んでいます。各ラボにおいて修士・博士課程学生(およびポスドク)を受け入れています。
GTP研究に興味がある方、修士博士課程への進学を考えている方はお気軽にContactよりお問い合わせください。

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